2010年10月1日金曜日

経口避妊薬は女性の脳の構造を変える

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POPSCIが、経口避妊薬が女性の性格を変える理由が、解明されつつあると報じている。

経口避妊薬には卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれており、排卵を抑制する作用がある。FDAがG.D. Searle社に経口避妊薬の販売許可を与えたのが1960年6月で、その後、製薬会社は副作用の少ない低容量ピルを開発してきたが、経験的には、摂取した女性が、怒りっぽくなったり、落ち込みやすくなったり、性欲が減退するなどの問題に直面することが知られている。しかし、ホルモンが女性の脳に与える影響は、今まで良く知られていなかった。

Brain Research誌に掲載された研究では、経口避妊薬を摂取した女性と、そうでない女性の脳のCT画像を比較し、経口避妊薬が、前頭葉前部脳を含む脳の特定の部位に影響を及ぼすことを示した。前頭葉前部脳は、判断などの認識活動と関連付けられている。なお、脳の一部の影響は他の箇所にも影響すると考えられるため、経口避妊薬が女性をより賢くする説もあるが、逆におかしくなる可能性もあるそうだ。

女性ホルモンであるエストロゲンは、他にもネズミの活動を不活性化する事や、女性の男性の趣味を変えることが指摘されているが、上述の研究はその理由の説明になるかも知れない。

現状では、経口避妊薬が女性の性格に及ぼす影響と関連しそうな事実が発見されたようだが、長い間、直感的に真実だと思われていた事に、注目が当てられたことに意義があるようだ。研究では、筋肉増強剤によって男性が凶暴性を増すというロイドレンジ効果と比較しているが、今後は、他の薬剤の脳への影響も解明されていくと思われる。

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