2010年9月7日火曜日

20世紀最大の発明の一つを、1500年前の古代ヌミビア人は知っていた

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1929年にフレミングが発見したペニシリン、つまり抗生物質は20世紀最大の発明の一つだと考えられるが、1500年前の古代ヌミビア人が既に抗生物質を利用していた事が分かって来た(Mail Online)。

現在のスーダンに位置する古代ヌミビア王国では、意図的に穀物からビール醸造時に、テトラサイクリン を副産物として製造していたと、人類学者のGeorge Armelagos氏と、Paratek Pharmaceuticals社の医薬品化学者のMark Nelson氏が発見し、American Journal of Physical Anthropologyで公表している。

1980年にArmelagos氏は、紀元後350年~550年のヌミビアの記録に無い民族の人間の骨からテトラサイクリンの痕跡を発見した。テトラサイクリンはカルシウムに付着・沈着するために、遺骨から発見することができる。その後、Armelagos氏と同僚の研究者たちは、原因をヌミビアのビールに見出した。原料の穀物は、テトラサイクリンを作り出す土壌放線菌を含んだ発酵した麦芽汁を作るのに使われていた。放線菌は、ビールに浮遊する金色のコロニーを作る事が知られてる。

さらに、古代ヌミビア人は発酵過程を制御し、薬を生産するためにビールを醸造していたようだ。発見された4歳児の脛骨と頭蓋骨からは大量のテトラサイクリンが検出され、病気を直すために大量のテトラサイクリンが与えられたことを示唆している。古代エジプト人とヨルダン人もまた、ビールを歯周病や、その他の疾患の治療に用いていた。

Armelagos氏は、「病気を治す薬を現代医療と連想しがちだが、先史時代の民族が経験則で治癒薬を開発していたことが明らかになってきており、私は彼らが分かってそれをやっていた事に疑いを持っていない。」と語っている。氏は今後、歴史から抗生物質の製造過程が失われた時代を調査するつもりだそうだ。

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