2010年8月27日金曜日

プラスチックから石油へ!海外サイトで紹介されていた日本人の発明

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テレ朝の番組「素敵な宇宙船地球号」で紹介されていたのでご存知の方は多いと思うが、株式会社ブレストの伊東昭典氏のプラスチック油化装置が海外サイトで紹介され、大きな反響を呼んでいた。焼却処分をすると単なるCO2にしかならないプラスチック・ゴミが、この装置をかけると、燃料として再利用が可能でCO2の大幅削減(とゴミの処分)が可能になる優れものだ。

機能を説明すると、プラスチックを粉砕し、450℃で加熱分解、蒸留してガソリン・ディーゼル・灯油に分離する装置で、家庭用100Vの電気で動く。1時間で1Kgのプラスチックを、800g(ガソリンなら約1096ml、軽油なら約954ml)の油に変換可能だそうだ。なお電力は1Kw(東京電力の30A契約で約23円)かかる。

国連大学が伊東氏へのインタビューを動画にしてyoutubeにアップロードしているので、まずはそれを見て欲しい。文字の説明より感動が大きいはずだ。

実はこの装置、素晴らしい装置ではあるが、色々と課題がある。

まだ価格が高いとかは勿論あるのだが、実用上はプラスチック3Pと呼ばれるゴミでないと稼動しないのが問題かも知れない。ペット樹脂やナイロン等には使えないし、複雑な家電製品等のゴミは分解してプラスチック部分だけ抜き出す必要がある。ペット樹脂は原油価格の高騰でリサイクルが定着してきたので分別すればいいだけだが、一般の家庭で高度な分解作業やゴミの識別を要求するのは、やはり欠点と言えるであろう。

ただ、動画では説明されていないメリットも多い。大型油化装置は色々と開発されていて導入実験も行われているらしいが、実はゴミの運送コストは馬鹿にはならない。さらに、ゴミを集積するとどうしても不適切な分別が発生する。ゆえにプラスチック・ゴミを家庭レベルで再資源化してしまうのも一案だ。

利点・欠点あるので、この技術が生き残るは分からない。例えば自動車を含めてオール電化になったら、燃料を作っても使い道が無いので、この装置は役には立たない。伊藤氏の会社の製品も、小型版は教育・デモ用と説明されており、もっと大型の工場や店舗用と思われる機械が主力のようだ。しかし、この小型の油化装置が、興味深いアプローチであるのは変わりが無い。

海外サイトで英語でついたコメントは、電気代が幾らかという現実的な話から、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を連想したもの、石油メジャーの画策で普及しないという陰謀の予想、次はゴミを求めて戦争が起きるという不吉な予言まで多様なものだが、全般的には好意的に受け止められているようだ。少なくともこの装置、グローバルに共感を呼ぶ何かを持っている。

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