2010年7月22日木曜日

DQN患者にスタンガン

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医療従事者や医療機関に対して自己中心的で理不尽な要求果ては暴言・暴力を繰り返す患者は、英語ではviolent patients、日本語ではモンスター・ペイシェントやDQN患者と知られている。公式には院内暴力と称されるが、全日本病院協会の2008年の調査では52.1%の病院が被害にあっているのも関わらず、2割強の病院しか特別な対策をとっていない(全日本病院協会)。そんなDQN患者に対する対応策として、医療先進国の米国ではスタンガンの利用が検討されているらしく、実際に使われたケースもあるようだ。

ワシントンポスト誌によると、全米で151の病院がTaser社のスタンガンを運用、もしくはテストしているらしい。スタンガンを受けても99.7%の人は怪我が無いという統計が出ており、怪我をした場合も、スタンガンの端子の刺し傷や、筋肉が麻痺することによる転倒などの結果に過ぎないようで、安全性は高いようだ。しかし、人権団体のアムネスティは、スタンガンの使用直後に334人が亡くなり、そのうち少なくとも50人がスタンガンの間接的な影響で死亡していると主張している。また、患者の信頼と理解を消し去る可能性があるため、スタンガンの利用よりは、理解と慈悲をもって患者に接する方が望ましいかも知れない。

なお、ワシントンD.Cでは警察官しかスタンガンを保持できないことなどもあり、あまり普及はしていないようだ。ワシントンポスト誌の取材では、他の地域でも、警備員がスタンガンを装備している病院を見つけることはできないようだった。しかし、日本でも病院食がまずいと訴え、日本刀を振り回した患者もいるわけで、警備員がいかに鍛えていても、状況によっては無傷で取り押さえるのは難しい状態にあるのも事実だ。他の患者の安全を確保する必要もあるわけで、警備員がスタンガンを装備するのも、そう悪くない判断なのかも知れない。

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